双極性感情障害の治療
双極性障害は、躁状態とうつ状態をくりかえす病気です。躁状態とうつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害なのです。
気分の波は、誰にでもあります。幸せな感じがする時もあれば悲しい気分の時もあるのは当たり前です。嫌なことがあった時に落ち込んだり、楽しいことがあった時にウキウキしたりするのは、ごく自然なことで、病気ではありません。でも、周りの人たちが「どうもいつものあの人とは違う」と気づき、「ちょっとおかしいのでは?」と思えるほどその気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失うほどであったら、それは、双極性障害かもしれません。
治療について
双極性障害の治療には薬による治療と心理社会的アプローチがあります。
「こころの悩み」とは異なり、カウンセリングだけで回復が期待できるものではありません。薬物療法を基本に治療法を組み立てていきます。
心理社会的治療だけでは双極性障害の治療は成り立ちませんが、薬物療法と併用しての心理社会的治療は治療を順調に進めるうえで役立ちます。といっても、双極性障害に必要な心理社会的治療は、いわゆるカウンセリングではありません。本人が自分の病気を知り、それを受け入れ、自ら病気をコントロールすることを援助する心理教育と言われるものです。
心理社会的治療によって自分の再発のきざしにすぐに気づいて、対応することができるようになれば、再発時に早期に治療を始めることもできます。再発を放置することは双極性障害を悪化させることにつながるので、これは重要なことです。